指導内容

 からだでチャレンジする・コミニケーションを楽しむ・学習の基礎となる力を身につける

感覚統合療法の視点
 こどもの発達研究室きりん(以下、きりん教室)は、1994年に地域の子育て支援と療育技術の習得(感覚統合療法による学習障がい児…現在の発達障がい児の指導)を目的にスタートしました。このため、この療育技術に求められる評価技術(感覚統合検査、ITPA言語学習能力検査、WISC-Ⅲ知能検査、K-ABC心理教育検査等)と評価(根拠)に基づいた指導に取り組んできました。そして、学習障がい児の学習指導のための特殊教育(現在の特別支援教育)や、問題が顕在化する前に解決するための早期発見・早期療育に取り組むようになりました。

 きりん教室には、感覚統合療法の考え方を活かした実践ができる設備(スウィング、トランポリン、ボールプールなど)が備えられています。感覚統合療法は設備ではなく理論や技術のため、セラピストは講習会の受講など常に研鑽が求められています。
 

 感覚統合療法では、子どもの能動的な活動が脳の中での感覚統合を進めると考えられています。

 このため、私たちは遊びを教材としながら子どもが積極的に活動できるように働きかけますが、このような療育技術を初めて目にするご家族には、遊んでいるだけに見えるかもしれません。指導を見守りながらあるいは活動に参加しながら「この活動にはどんな意味があるのだろう…指導者は何を狙っているのだろうか?」と考えてみてください。きっと遊びの中に“コミュニケーション、社会性、教科学習の基礎技能”が織り込まれているのに気づかれることと思います。そして、ご家族が子どもの療育に参加し、セラピストと交わすコミュニケーションがきりん教室のペアレントトレーニングとなっています。

*感覚統合療法は、A.J.Ayres博士が提唱した学習障がい児の治療法で、日本感覚統合学会の認定セラピスト、主に作業療法士が実践しています。

心理アセスメントの実施
 きりん教室では、臨床心理士、言語聴覚士、作業療法士等検査技術についてトレーニングを受けたスタッフが、標準化された検査に拠ってアセスメントを行ないます。教室には複数の検査機具が常備されており、子どもの特性を正確に把握して、一人ひとりの特性に合わせた指導ができるように努めています。ご家族は検査に立ち会い、結果の説明を受け、年毎の成長を確認しながら子育てや教育の方法について一緒に考えていくことができます。

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*きりん教室では、1996年にK-ABC心理教育検査出版社の協力を得て、徳島県で最初のK-ABC検査の講習会を開きました。そして、検査結果の開示が一般的でなかった時期に、検査粗点を出版社に送る「FAX解析」を使って結果をご家族に提供しました。


*現在、ご家族の立ち会いが認められない検査や、結果の開示(引継ぎ)が専門職間でしか認められていないものがあります。

学習能力の指導
 きりん教室では、感覚統合療法がその最終産物とする学習(聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する)能力に着目し、感覚統合の視点を大切にしながら、心理アセスメントに基づいた長所活用型の指導に取り組んでいます。

きりん教室は感覚統合療法を行う教室でしょうか?
 きりん教室は、多職種(保育士、児童指導員、臨床心理士、言語聴覚士、作業療法士)が協力して、特定の技法に拘らず一人ひとりの子どものニーズに合わせた指導を行う教室です。このため、固定的なプログラムに拠らず、子どもの一挙一動から指導内容を導き出すことができる援助者の確かな知識と技術を重視しています。

 

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